変化が常態化する時代に、プロジェクトの成否を分ける
チェンジマネジメントとは

はじめに(セミナー開催の背景)
本セミナーは、株式会社富士通ラーニングメディア様よりご紹介ならびにお声がけをいただき、開催の運びとなりました。この場をお借りして、心より御礼申し上げます。当日は、株式会社富士通ラーニングメディア様主催のもと、「変化が常態化する時代に、プロジェクトの成否を分けるチェンジマネジメントとは」をテーマにした無料セミナーを実施しました。
日本アタウェイ(弊社)からは和田が登壇し、チェンジマネジメントの基本的な考え方と、Prosci®(プロサイ)が提唱するフレームワーク(ADKAR Model® (以降ADKAR モデルと呼称)、Prosci 3フェーズプロセス)を軸に、実務の現場でどのように活用できるのかを解説しました。本記事では、当日の内容(概要)をお届けし、チェンジマネジメントの全体像が自然につかめる構成でご紹介します。
なぜ今、チェンジマネジメントが求められているのか
近年、日本でもチェンジマネジメントへの関心が急速に高まっています。デジタルトランスフォーメーションやAIの進化、ビジネスモデルの変化などにより、これまでと同じやり方では成果を出し続けることが難しくなってきました。仕事の進め方や組織のあり方そのものを見直すことは、もはや避けて通れないテーマです。日本企業の強みである高品質や継続的改善は、今後も重要である一方、市場ではスピードと変化への適応力がより強く求められています。完璧を待つのではなく、小さく試し、学び、次につなげる。
競争相手がグローバルに広がる今、いかに迅速に意思決定し行動できるか、そして変化に柔軟に適応し続けられる人材を育成・動かせるかは、多くの経営者やリーダー、マネージャーにとって重要な経営課題となっています。
チェンジマネジメントとは何か
チェンジマネジメントとは、変革を「人の側」から支援し、成果につなげるための体系的なアプローチです。
プロジェクトには、システム設計やプロセス設計といった技術的な側面があります。一方で、実際にその変化を受け止め、日々の業務を変えていくのは現場の一人ひとりです。
- なぜこの変革が必要なのか
- 自分には何が求められているのか
- 本当にやっていけるのか
こうした問いに対する理解と納得があって初めて、行動が変わり、成果が生まれます。
組織・プロジェクト・個人、すべてに共通する視点
Prosciが提唱するチェンジマネジメントは、組織・プロジェクト・個人というすべてのレベルに適用可能です。組織として共通のゴールに向かえるか、プロジェクトとして関係者を巻き込み抵抗を抑えられるか、そして個人が変化を受け入れ新しいやり方で力を発揮できるか。これらに共通する視点は、「人がどのような状態にあるか」です。
例えば事業成長を目指して新たなビジネスモデルや重点施策を導入しても、人が理解・納得し、参画しなければ成果にはつながりません。プロジェクトマネジメントが仕組みやプロセスといった「技術的側面」を担うのに対し、チェンジマネジメントは、人が変化を受け入れ、自律的に行動できる状態へ導く「人的側面」を支援します。変革を成功させるためには、優れたソリューションだけでなく、それを使いこなし、推進する人と環境を整えることが不可欠です。
個人の変化を捉えるADKARモデル
Prosciが提唱するADKARモデルは、個人が変革を実行し、定着させるまでのプロセスを5つの要素で整理しています。
- Awareness (認知):なぜ変革が必要なのかを理解しているか
- Desire (欲求):やろうと思えているか
- Knowledge (知識):やり方を知っているか
- Ability (能力):実際にできているか
- Reinforcement (定着化):継続できているか
重要なのは順序です。例えば、知識を与えても、認知や意思がなければ行動にはつながりません。ADKARは理論ではなく、現場で「今どこが詰まっているのか」を見極めるための実践的な診断軸として使われます。
変革を進めるための3フェーズプロセス
個人の変化を支えながら、組織やプロジェクト全体を動かすために用いられるのが、Prosci 3フェーズプロセスです。
1.アプローチの準備(Phase1 – Prepare Approach)
– リーダーシップや主要関係者間でゴールの共通ビジョンを描くべく促す
– 変革により誰がどのような影響を受けるか把握する
– チェンジマネジメントアプローチを設計しどの程度の投資が必要か判断する
2.変革のマネジメント(Phase2 – Manage Change)
– ADKARを使いながら状況を把握し、コミュニケーションやトレーニングを含む施策を計画し実行する
– ”変革エコシステム“を構築する -「人」の移行のために必要となるリーダーの役割遂行を支援する
– 「人」の変革移行状況をモニタリングし更なる是正措置を適用する
3.成果の持続(Phase3 – Sustain Outcomes)
– 稼働後にビジネス成果への到達状況を測定し、必要に応じて更なる活動を行う
– 定常業務体制に役割・権限を移譲する
このプロセスの中心には、常に「個人(ADKAR)」があります。
誰がチェンジマネジメントを担うのか
チェンジマネジメントは、特定の専門家だけの仕事ではありません。
- チェンジプラクティショナー
- プロジェクトマネージャー
- 事業部門のリーダーや管理職
- 変革推進部門
- 導入支援を行うベンダー側の担当者
関わる人が共通の考え方を持つことで、変革は進みやすくなります。
紹介された研修プログラムについて
セミナーでは、目的に応じて選べる2つの研修プログラムが紹介されました。
入門編(1日):チェンジマネジメント基礎ワークショップ
チェンジマネジメントの基本概念を理解し、ADKARや役割の考え方を学び、明日からの行動につなげる内容です。
変革リーダー養成コース(3日間):チェンジマネジメント資格認定プログラム
方法論を体系的に理解し、ワークショップを通じて実践力を高めるプログラムです。現場で使えるツールやテンプレートも提供され、条件を満たすと認定取得につながります。
実務で起きている変化
実際の現場では、次のような変化が報告されています。
- 現場の不安が軽減され、「取り残されていない」という安心感が生まれる
- 経営層がシステムの進捗だけでなく、人の状態を見るようになる
- 稼働後も成果を測定し、改善につなげられる
変革を「やり切る」ための視点が、組織に根づいていきます。
おわりに(ご案内)
本セミナーの内容が、皆さまの変革の取り組みに少しでもお役立ていただけましたら幸いです。
対談セッション(質疑応答)をご覧いただくには、登録が必要です。
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【無料】対談セッション(質疑応答)

本セミナーの中では、株式会社富士通ラーニングメディア株式会社の石橋宏路様と弊社 和田円香による質疑応答形式の対談が行われました。この内容をご覧になりたい方はこちらまで!


