チェンジマネジメントとは何か

個人が変わることで、組織は変わることができる

日本の多くの企業が、急増する課題の波に直面しています。高齢化社会、働き方の多様化、従来の形式を根底から覆すような数々のイノベーション(オートメーション、AI、クラウドテクノロジーなど)、市場のグローバル化、M&Aの増加などにより、組織にとって変化を受け入れる頻度が高まり、適応のスピードが重要視されてきています。変わりゆく環境下において変化を上手にマネジメントすることは、組織が生き延び競争していくために必要不可欠なケイパビリティーとなっています。

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組織が何かを目指し、プロジェクトや活動に取り組む過程において、さまざまな変革が求められます。たとえば業務プロセス、職務役割や組織構造、テクノロジーの活用などの変革です。しかし変革を実現するにあたり、最終的に仕事のやり方を変えなければならないのは個人です。 Prosci®のリサーチ結果によると、彼らがやり方を変えられなかったり、新しいやり方を受け入れ学ぼうとしないと、その活動の多くは失敗に終わります。もし彼らが変わることができれば、活動の成功確率は飛躍的に上がります。


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チェンジマネジメントの3つのレベル

個人レベルでのチェンジマネジメント

変わることに抵抗感を持つことは、人としてごく自然な反応です。それが心理的な面からであっても、身体的な面からであっても同じです。その一方で、人間は非常に適応性に富んだ生き物でもあります。変わる過程で適切なサポートを受けることができれば、抵抗感は薄れ、変化に適応できるようになります。

個人レベルのチェンジマネジメントでは、人がどのように変革を経験し、どうすればその変革が成功するのかを理解することが大切です。それは、個人が変革を受け入れるためにどのようなサポートが必要かを知ることでもあります。たとえば、いつ誰からどのようなメッセージを受け取るか、新しいスキルを習う最適なタイミングはいつか、新しいやり方についてどのようにコーチングすればよいか、個人の仕事において変革を「定着」させるには何が必要か、といったことです。個人のチェンジマネジメントにおいて、実用的なフレームワークを適用するため、しばしば心理学や神経科学といった分野に基づいた考え方も利用します。

個人が変革をどう経験し影響を受けるのかを長年研究した結果、Prosci®は個人の変革に関するADKAR®と呼ばれるモデルを開発しました。このモデルは、世界でもっとも広く使われるモデルの1つとなっています。

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組織のプロジェクトや取り組みレベルでのチェンジマネジメント

変革は個人ごとに起きるものですが、プロジェクトチームがそのすべてを個別にマネジメントすることはできません。プロジェクトチームまたはチーム内の誰かがプロジェクトレベルのチェンジマネジメントを行うことで、プロジェクトの影響を受ける何百何千もの個人をサポートすることができます。

プロジェクトレベルのチェンジマネジメントでは、始めにプロジェクトの結果として変わる必要があるグループや社員が誰か、そして彼らはどのように変わる必要があるのかを特定します。次に、影響を受けるグループや社員ごとにプランを策定し、彼らに必要な気づきを与え、リーダーシップ、コーチング、トレーニングを受けられるようにします。個人の変化を成功させることが、組織的なチェンジマネジメントの狙いです。

プロジェクトレベルのチェンジマネジメントはプロジェクトマネジメントを補完するものでもあります。プロジェクトマネジメントはプロジェクトのソリューションの設計、開発、実装を支えるものですが、チェンジマネジメントはソリューションが効果的に受け入れられ、適用され、実際に使われる状態になることを支えます。Prosci®の3フェーズプロセスはリサーチベースのアプローチで、チェンジマネジメントをプロジェクトレベルで適用するためのツールをフルセットで提供しています。

エンタープライズチェンジマネジメント

全社的なチェンジマネジメントは、変化し続ける世界に順応し、競合企業との差別化を実現するコアコンピテンシーです。企業がチェンジマネジメントを実践できるということは、組織内の役割、構造、プロセス、プロジェクトやリーダーシップコンピテンシーといった領域にチェンジマネジメントが浸透していることを意味します。それはつまり、企業内の重要な取り組みには、自然とチェンジマネジメントが適用され、リーダーは変革の中でチームをガイドするスキルを身に着けており、社員は変革を成功させるうえでどんなことを誰に確認しなければいけないか分かっている状態を意味します。

企業レベルでチェンジマネジメントに取り組む最終的な目標は、個人が変革をより早く効果的に受け入れ、組織が市場の変化に素早く反応し、戦略的な計画を支持し、新しいテクノロジーをより早く、生産性をなるべく損なわずに導入できるようになることです。しかしチェンジマネジメントはある日突然できるようになるものではありません。組織全体に、チェンジマネジメントを根付かせる戦略的アプローチが必要となります。

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【無料】チェンジマネジメントの基礎知識

組織の変革プロジェクトが技術要件とマイルストーンを満たしていたとしても、目標と成果を実現できない可能性があります。これは何故でしょうか? 答えはチェンジマネジメントです。チェンジマネジメントを採用している組織は、予定どおりまたは予定より早く、予算内で、プロジェクトの目標を達成する可能性が高くなります。これは、データからも明確に示されています。

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