チェンジマネジメントアセスメントの実施方法When Should You Use a Change Management Readiness Assessment?

by Tim Creasey

変革プロセスにおいては、チェンジマネジメントアセスメントが重要ですが、その必要性や価値、適切な使用タイミングは明確でないことが多いです。

変革のアセスメント


変革を管理する際、開始時に2つ重要なアセスメントを実施します。1つ目は変革自体のアセスメントです。変革のスコープ、複雑さ、全体的な規模、を測ります。

  • 変革のスコープ(ワークグループ、部署、部門、企業)
  • 影響を受ける社員の人数
  • 変革の種類(プロセス、テクノロジー、組織、職務役割、合併、戦略)
  • 変革の量

変革の性質を慎重に評価し、戦略計画を練る上での基盤を築くことができます。

組織のアセスメント


2つ目は組織のアセスメントです。組織の特性により、変革の困難さは異なります。組織の特性を理解できれば、どのような障壁があるかをチームやスポンサーに伝えることができます。

  • 文化や価値基準
  • 変革の許容度(および過去の変革実績)
  • リーダーシップの傾向や権限の所在
  • 過去の変革の影響
  • 変革に対する中間管理職の姿勢
  • 変革に対する社員の準備状況

文化や価値基準


組織の変革に対する反応は、文化や価値基準に大きく影響されます。これらに配慮することで、変革に対するグループの反応を予測し、事前に対処できます。

変革の許容度


どの組織も変革には限度があり、すでに多くの変革に直面している場合は、さらなる変革を要求するのは難しいかもしれません。

リーダーシップの傾向


リーダーシップの傾向は、チェンジマネジメント計画に大きな影響を与えます。チェンジマネジメントでは、スポンサーシップや変革の管理を支援することが成功のための重要な要素になるので、リーダーシップの傾向や権限の所在は時間をかけて評価することが重要となります。

過去の変革


過去の変革の影響は、新しいチェンジマネジメントに良くも悪くも作用します。変革を効果的に管理するには、最初のステップとして過去の変革の実績を評価することが必要です。

中間管理職の姿勢


多くの組織では、中間管理職は同僚や社員に対して、大きな影響力を持っています。彼らは時に大きな権限を持ち、恐れられている場合もあります。中間管理職は、変革プロセスで重要な役割を果たします

社員の準備状況


社員の準備状況を評価することで、彼らの変革に対する準備度、抵抗の程度、抵抗の理由を把握できます。

アセスメントのデータ収集


アセスメントの方法は、プロジェクトチームの構成や外部専門家に依存します。外部コンサルタントを利用する場合、彼らは一般的なデータ収集方法に頼らざるを得ません。つまり、社員やマネージャーへのインタビューやアンケートなどになります。社員が多い場合は、一対一のインタビューの代わりに、フォーカスグループインタビューの手法を取ることになるでしょう。

内部のマネージャーがチェンジマネジメント業務を牽引し、プロジェクトチームが変革の影響を受ける代表格である場合、データ収集の必要性はさほど高くありません。この場合、マネージャーたちは、変革の性質や組織の特性を既に把握していると考えられるからです。社員から追加的にデータを収集し、すでにある情報と合わせれば事足りるでしょう。

アセスメントのデータの活用方法


アセスメントのデータは、チェンジマネジメントプランに活かせます。変革と組織の特性に合わせたチェンジマネジメント戦略を練る際に利用できます。以下に例を示します。

  • チェンジマネジメントチームの形と大きさを判断する
  • スポンサーシップの形とサポートシステムを判断する
  • リスクを評価し、障害を予見する
  • 変革を支援するための特別な対応策が必要か判断する
  • コミュニケーションプラン、トレーニングプラン、コーチングプラン、スポンサープランをカスタマイズする

社員から収集するデータの種類


正しいチェンジマネジメントの枠組みに従い、社員からのデータ収集に慎重に取り組みます。不用意に後述のような質問をすることは、不安を招くことがあります。変革が迫る際、社員が抱く自然な疑問に、プロジェクトチームやシニアリーダーシップが答えを持っていないと問題が生じます。従って、データ収集の際には以下の3点に留意します。

  • 社員の視点から見た、組織の変革に対する準備状況
  • 社員個人としての変革の準備度
  • 社員の変革に対する理解と個人的な影響の把握

最後の点は、チェンジマネジメントコミュニケーションプランやプロジェクトチームの準備状況、変革の詳細と整合性を持たせつつ、慎重に情報を収集する必要があります。特に、「私にとって何の利益があるのか?(WIIFM)」という問いには、適切に答えられなければなりません。社員は変革が組織に与える影響よりも、まず自分にどのような影響があるかに関心が行くからです。

社員が変革とその個人的な影響をどう見ているかを評価するために、以下のような定義を示し、それにどの程度同意するかを尋ねます。

  • 変革は私のキャリアプランや目標達成に役立つ
  • 変革は私の経済状況を改善させる
  • この変革を支援するために転勤する必要はない
  • この変革によって私の仕事が脅かされることはない
  • この変革は究極的には私の家族にとって利益となる
  • 私は新しい仕事で新しいスキルや意識を習得する自信がある
  • 変革で私の健康が害される心配はない
  • 変革によってより楽しい職場環境がもたらされる

これらの定義は、家族、健康、キャリア、経済状況に関連しています。上記のような定義を示し、どの程度同意できるかを尋ね、評価します。例えば、「強く同意するを5、全く同意しないを1として、5段階で評価してください。」と伝えます。その後、グループ、部署、部門ごとにプロファイルを作成することができます。

組織が社員からどのように見えるのかを評価するには以下の定義が使えます。

  • 私の組織では過去の変革にほとんどの場合成功している
  • この組織は変革の成功に報酬を出し、祝福している
  • 変革で悪影響を受ける社員に対して、組織は気にかけている
  • 過去の変革では中間管理職が変革の提唱者となっていた
  • 組織のエグゼクティブは積極的で目に見えるチェンジリーダーであり、スポンサーである
  • 組織は変革を奨励し、新しいアイデアを提案する社員に対して、評価をし、称賛する
  • 私の同僚たちは、変革を積極的に受け止めている
  • 私の管理チームはフィードバックや異なる意見に耳を傾ける姿勢があり、オープンなコミュニケーションを推奨している

これらの定義は、組織文化やシーダーシップのスタイルなど、社員から見た組織の姿を反映しています。

まとめ


正しいチェンジマネジメントの枠組みに沿って、これらのアセスメントを行うことで、チェンジマネジメント戦略プランが立てやすくなり、プロジェクトチームはチェンジマネジメントのアプローチを判断する上で十分な情報が得られます。このアセスメント作業は、あくまでも計画段階の準備に過ぎず、チェンジマネジメントの主要な業務ではありません。変革の計画を立てる際のツールなので、アセスメントに割く時間は最小限にとどめましょう。良いプランを立てる判断材料になれば十分なのです。

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チェンジプラクティショナーが直面する最大の課題は、組織レベルの変革を、個人レベルの変革に落し込むことです。その際、個人レベルの変革プロセスを意識して、目を向け、注意深く観察し、記録するためのフレームワークを持つことが重要です。「チェンジインパクトの10の側面」のフレームワークを活用すると、組織レベルの変革が個人の仕事にどのような影響を与えるかを分析することができます。また、これらの側面を考慮することで、変革がグループによって異なる影響を及ぼすことを早い段階で確認することができます。

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著者:ティム・クリーシー (Tim Creasey)
ティム・クリーシーは、Prosciのチーフ・イノベーティブ・オフィサーで、世界的に認められたチェンジマネジメントのリーダーです。組織に成果をもたらす変革の人的側面の分野で土台となる最大の知識体系を築き上げました。