成功する組織に欠かせないチェンジマネジメントオフィス(CMO)とは?Does Your Organization Need a Change Management Office?
by Tim Creasey
チェンジマネジメントオフィス(CMO)は、組織に大きな価値をもたらします。研究によれば、CMOを設置している組織はチェンジマネジメントの成熟度が高く、変革の成功率も高いことが証明されています。これは、あらゆる業界、あらゆる規模の組織にとって重要なベネフィットです。
CMOの価値と検討ポイント
組織にはそれぞれチェンジマネジメントやCMOに対するニーズがあるでしょう。CMOへの期待、組織内での位置づけ、適切な規模などです。既にCMO設置の方針が決まっている場合、すぐにでも着手したいと思いますが、いくつか考慮すべきポイントがあります。
1. 変革プロジェクトの成功率を上げる必要があるか?
CMOの設置により、変革に対するチェンジマネジメントが効果的に導入・持続され、変革プロジェクトの成功率が向上します。全組織的に社員に対する準備が整い、受け入れが進み、正しい変革力が構築されます。
また、Prosciの数十年の研究によれば、優れたチェンジマネジメントは変革プロジェクトの成功率を7倍にも高めることができます。ウェビナーに参加した変革の専門家たちは、人々の支持を得る上でこのデータはとても説得力があると述べています。CMOを設置する理由を一つだけ挙げるとしたら、間違いなくこのポイントが重要です。
2. 各チームは一貫して体系化されたチェンジマネジメントのアプローチを適用するべきか?
変革力のある組織は、変革の度に新たな手法を採用しません。CMOがあれば、変革プロセスに一貫性を持たせ、チームの業務を円滑に進めることができます。CMOは、一連のツールや体系化された方法論、事例やベストプラクティスを提供し、チェンジマネジメントの正当性を実証できます。
3. 組織の変革力の構築に取り組んでいるか?
CMOの設置によって組織全体が変革に効果的に取り組めるようになり、その結果、組織の変革力の構築もできます。シニアリーダーはスポンサーシップのABCの役割を果せるようになり、プロジェクトマネージャーはプロジェクトマネジメント計画に加えて社員の受け入れと活用を推進する計画を行えるようになり、管理職マネージャーは影響下にあるチームメンバーを教育するためのトレーニングを受けられるようになります。
4. 組織は変革の飽和状態に陥っているか?
変革の飽和状態は、社員の燃え尽きや変革の失敗につながります。そのため、度重なる変革が社員に与える影響を理解し、説明し、軽減する必要があります。CMOを導入することで、組織全体の変革を包括的に把握し、可視化し、組織内での変革の飽和状態を回避することができます。
5. 変革の成功に向けて、チェンジマネジメントは必要な信頼や妥当性を得ているか?
正式なCMOの設置は組織の変革力を構築するための土台となり、チェンジマネジメントの成功と実務のあり方を明確に示す権限が与えられます。CMOが設置されていない場合、多くの組織では、リーダーたちにチェンジマネジメントが十分に理解されず、変革に対してどこから手をつけたらよいかわかりません。
6. チェンジマネジメントチームはリーダーシップ会議に代表を送るべきか?
組織のリーダー達からチェンジマネジメントへの関与と支援を得るためには、あなたが何をするかよりも、あなたが何を生み出すかを提示する方が効果的です。しかし、多くのチェンジプラクティショナーはこのような説明を怠り、組織を変革に備える戦略的オリエンテーションができていません。その結果、彼らは通常、意思決定の場に参加する機会を得られません。CMOの設置とチェンジマネジメントプロセスの確立は、リーダーシップ会議に参加する近道です。初期段階で高いレベルで発言権を得て、組織の変革ポートフォリオの策定に貢献できます。
7. 組織のチェンジマネジメント(ECM)は体系的で方向性のあるアプローチを持っているか?
我々のアドバイザリーサービスチームが組織のチェンジマネジメント(ECM)を支援する際、ECM戦略マップを活用しています。研究から生まれたこのツールは5つの主要な領域に注目するように出来ています。それは、1年後、3年後、5年後を見据えて変革力を向上させるには何が必要かを問うものです。
ECMは単に組織内で起きている多数の変革を管理するだけではありません。ECMは、組織全体のチェンジマネジメント能力やツール、プロセスを体系的に発展させるものです。ECM自体が一つの変革プロジェクトであり、体系的に目的を持って管理されるべきです。CMOはその重要な枠組みを通じて、あなたの組織のECMの進行を支援します。
8. 組織のチェンジマネジメントの成熟度向上に取り組んでいるか?
ECM能力を構築する前に、まず組織の変革の成熟度がどのレベルにあるのかを把握する必要があります。Prosci Change Management Maturity Model™ (Prosciチェンジマネジメント成熟度モデル)と監査は、リーダーシップ、適用、コンビテンシー、標準化、組織化といった5つの能力を診断します。基準を定めるのにCMOが不可欠であり、また同時にCMOは、リーダーシップ、適用、コンピテンシー、組織化も支援します。
CMOの設置
CMOの設置はあなたの組織に大きな利益をもたらすでしょう。組織の目標とCMOを設置する意義をしっかり理解することが、あなたの計画の第一歩となります。可能性とベネフィットが明確になれば、CMOの意義を組織のリーダーたちに伝える準備が整います。
【無料】チェンジマネジメント・オフィス
成功している組織は、組織のアジリティを維持し、プロジェクトの成功率を向上させるために、組織のチェンジマネジメント能力の構築に力を注いでいます。その手段の一つは、組織内でチェンジマネジメントを支援するためのグループ、例えばチェンジマネジメント・オフィス(CMO)を設立することです。
著者:ティム・クリーシー (Tim Creasey)
ティム・クリーシーは、Prosciのチーフ・イノベーティブ・オフィサーで、世界的に認められたチェンジマネジメントのリーダーです。組織に成果をもたらす変革の人的側面の分野で土台となる最大の知識体系を築き上げました。